2011/04/27

モバイルのコンテンツとコンテキスト

ウェブサイトの設計をする時、モバイル端末(スマートフォン、タブレット端末など)からスタートする「モバイルファースト」というコンセプトと手法があると以前に紹介しました。
このコンセプトで難しいのが コンテンツ です。モバイルの場合、コンテンツはコンテキスト(環境)に左右されると言われます。つまりモバイルの場合はデスクトップとは環境が違い、ユーザーは家でデスクトップの前に座ってパソコンを利用しているとは限らず、モバイルを利用するコンテキスト(環境)がユーザーによって違います。そのコンテキストを考えることがモバイルのコンテンツの決定に不可欠ということです。

Contents&Context

では、モバイルのコンテキストとはなんでしょうか?そんな悩みを解決できるかもしれない「コンテンツ」と「コンテキスト」のヒントになる図表などを集めてみました。


Elements Mobile Context

一番最初は、「Peopel-centric mobile computing」という、ユーザーを中心としてモバイルソフトウェアのデザインをするアプローチ。人々のコミュニケーション、ユーザーコンテキスト(場所や時間)、出来事、を考慮する手法と唱える C.Enrique Ortiz(エンリケ・オルティス)からの図の紹介です。

円の大きさが影響力、円の1つ1つがコンテンツを決定する上でのコンテキストになります。
http://weblog.cenriqueortiz.com/mobility/2007/07/22/the-elements-of-the-mobile-context/

彼はこの図表で、コンテキストとして「ロケーション」「時間」「デバイスの機能」「社会性」「状態」を挙げています。
例として スターバックスで昼の3時に友人と一緒にiPad を利用しているとしましょう。これはスターバックスで椅子に座って3時ぐらいの混み合う時間(非常にストレスがある、周りの雑音は多い)に、友人と一緒に隣同士に座ってiPad でコンテンツを利用することになります。コーヒーを飲んでいるので、片方の手しか空いていないかもしれないという状況です。複雑なコンテンツは利用できない状況のようです。まして ビデオを再生するようなコンテンツは利用できないでしょう。

A Check List for Content Work

次は、A List Apart で 著書「Contents Strategy」をだした Erin Kissane の記事から。
彼女は A List Apart の記事の中で「良いコンテンツ」とは何かを説明しています。抽象的な文章ではありますが良いコンテンツの特徴を端的に捉えています。

  1. 良いコンテンツはユーザーとビジネスに適切でなければならない。(appropriate)
  2. 良いコンテンツは便利でなければならない。(useful)
  3. 良いコンテンツはユーザー中心でなければならない。(user-centered)
  4. 良いコンテンツは明瞭である。(clear)
  5. 良いコンテンツは一貫性がある。(consistent)
  6. 良いコンテンツは簡潔である。(concise)
  7. 良いコンテンツは十分にサポートされている。(supported)
上記の6では、彼女は省くべきコンテンツとして下記を挙げています。自分のコンテンツを考えてみましょう。
  1. ミッションステートメント、ヴィジョンステートメント
  2. プレスリリース
  3. 長い規約文
  4. 際限のない機能リスト
  5. 繰り返しているコンテンツ
  6. 意味の動画コンテンツ
また彼女は記事の中で、Daniel Elzans のスライドから下記のような図を紹介しています。ユーザーが身体、感情、認知、の3つの円に属してコンテンツを決定していることが描かれています。コンテンツはユーザーの身体、感情、認知の状態によって決定されるということを示しています。




まとめ

紹介した記事は、英語ですが両者とも モバイルのコンテンツはユーザーの環境など(場所、時間、身体、感情、認知)に左右されるということを説明しています。まずは、自分のWebサイトのユーザー像を確認して、どの時間、場所、でどのような環境下で利用しているのかを考えてみるとといいかもしれません。

例ですが、allWebの場合、受講生が道に迷われて当日の朝に電話をしてきます。つまり、ユーザーは 野外で 時間に追われるというストレスのある環境で電話をしてきていることになります。この場合コンテキストは「野外」「ストレス」ということになります。提供するべきコンテンツは Google Map や何らかの道順を示すものになります。

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